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株式会社ランプ

河野匠

コロナ禍で生まれた新しいサービス。
受託業務から全振りでスタートアップの世界へ。


今回お話をお伺いしたのは、コロナ禍の中、飲食店のテイクアウトに特化した予約・決済システム「テイクイーツ」をリリースした、株式会社ランプ代表取締役CEOの河野匠さん。

サービスが生まれたきっかけや受託から自社プロダクトに切り替えた話、今後のビジョンについてお話を聞いてきました。

発案から2ヵ月で「テイクイーツ」をリリース


2020年3月に「テイクイーツ」を発案し、5月にはリリースした河野さん。

当時は新型コロナウイルス感染症に対する詳しい情報も乏しく、まだまだ得体の知れない病気といったイメージが強かった頃です。


2022年の今から思うと、感染者数もそれほど多くありませんでした。

でも、外食する機会が減り、僕自身もリモートワークを選択。
テイクアウトを選ぶことが増えた時期です。

でも、お店の情報もなく、電話予約しかできない。
並んで受け取るのも非常に面倒くさい。

そこで、こんなサービスがあればいいんじゃないかと思い、発案したのが「テイクイーツ」です。


リリース直後は、まだバグも多くお客様に迷惑をかけることも多数。
ただ、当時は、コロナの影響がこれほど続くとは予想していません。

続いても3〜4ヵ月ぐらい、長くても半年で収束するだろうと考え、とにかくスピードを意識。
その結果が短期間でのリリースにつながりました。


「テイクイーツ」では、通販サイトのような形で商品の選択から予約、決済が行えるサービスです。
お客さまは、好きな商品を選び、決済する。
お店に行き、商品を受け取るだけです。

並ぶ必要もなく、店頭で支払いをする必要もありません。

当時は、感染予防という観点からも、非常に多くの店舗さんにご好評いただきました。


リリース段階から注文、メニュー登録、予約、決済といった基本操作は完備。
京都の老舗の寿司屋、有名な洋菓子店などが導入。

手応えを感じた河野さんは、コロナの影響が長引きそうだと感じたタイミングで、全国にサービスを拡大。

2022年11月時点での導入数は1400店舗を超えています。


初期に導入いただいたお客様には、バグや動作エラーなどご迷惑をおかけしました。

それでも使い続けていただいたこと、「コロナが終わっても使うよ」との言葉をいただいたことで、世の中に求められているサービスだと再認識しました。

参考リンク:テイクイーツ


WEB受託から「テイクイーツ」1本に集中


現在、テイクアウトのDXプラットフォーム「テイクイーツ」の開発・販売に力を入れている河野さんですが、以前は中小企業に向けたWEBのホームページ制作、マーケティング支援を主たる事業としていました。


起業してから、ずっと自社でプロダクトをやりたいと思っていました。
でも、なかなかうまくいかない。

チャレンジしては失敗して、またチャレンジする。

ひたすらその繰り返しを続ける中で、生まれたのが「テイクイーツ」です。


WEBの受託やコンサル、アクセス解析ツールの提供、メディア制作などさまざまな手段に取り組んできたものの、常に初速の悪さが気になっていたといいます。

その中で、意識し続けていたのは「選択と集中」でした。


ずっと「自社プロダクトでちょっとでも芽が出たら集中しよう」と決めていました。
「テイクイーツ」が始まり、これはイケるぞというタイミングで、他社さんに受託を全て売却。

その資金も投下し、「テイクイーツ」1本に絞りました。


株式会社ランプの設立は、2017年。
テイクイーツをリリースした2020年は、既に4期目です。

売り上げがある程度安定し、人を雇用している中での方向転換。

社内からの反発はなかったのでしょうか。


もちろん、中には受託がやりたくて入社してきたメンバーもいました。

「やっぱり受託をやりたい」と退社された方もいますが、多くのメンバーはそのまま残っています。
今までクライアントにしてきたことを自社でやる。

その立ち位置に変えて、一緒に「テイクイーツ」に取り組んでくれています。


今が一番、仕事が楽しい。
“楽しい”を毎日更新する日々。


今、これまでで一番仕事が楽しいです。
毎日楽しさを更新している感じ。

ようやく、起業を決意した10年くらい前に思い描いていた姿に近しいことをやれている気がします。


「これイケるかも」との気づきから、実際に周りの飲食店経営者にヒアリング。
店舗には人手不足、業務効率の悪さなど共通の課題がある。

さらに当時で言えば、非接触の実現が必要。

これらの共通項に対し、ヒアリングを続ける中で「テイクイーツ」がハマるとの思いは、確論に変わっていきます。

ただ、いくら確論に変わったとしても、事業としての成功や収益は別となるケースも考えられます。


最初の3ヵ月くらいは、サービス手数料もいただいていません。
収益で言うと、全くない状態です。

リリースから半年くらい経ってから、注文の合計金額に対して8%を手数料として頂戴する形を導入しています。

今も初期費用と月額費は無料でご利用いただけます。


一気に拡大する際に、課題となるのが資金面です。

河野さんの場合は、ベンチャーキャピタル(VC)や投資家からの出資を募り、現在もそれらの資金を元手に事業拡大を目指しています。

滋賀県出身、現在京都に本社を置く河野さんですが、東京進出については、どのように考えているのでしょうか。


考え方はいろいろあると思いますが、最初に京都で始めて、京都の名店との関係ができたことがまず良かったと思っています。

東京に行くと競合も増えるし、家賃なども高くなっていく。

これからも京都でやっていこうと思っています。

また、今は、商談も全部ZOOMです。
正直、場所の制約はありません。

それなら、最初に起業した場所に居続けたいと思っています。


VC調達。
“踏めば加速する”と身をもって体感


過去のWEBの受託とテイクイーツの売上が同額になるまでに、費やした期間は約1年半。

VCから調達する中、最初は感覚の違いに苦労したことも。


学生時代に起業し、受託事業を7年くらいやってきました。
いわゆる“起業経営”という意味では、少し経験を積んできたと思っています。

ただ、VCから調達し、思いきりお金を使って赤字を出す、いわゆる“ゲーム”の形は、これまでに経験していない分野です。

このお金を突っ込むのは躊躇すると感じたこと、最初にVCに「もっと踏んでもっと伸ばせ」と言われたときには、感覚が合わないと思ったこともありました。


最初は戸惑った河野さんですが、一回踏んでしまうとその感覚にも慣れていきます。

そもそも地場の中小企業相手からスタートアップへと聞くと、全てが変わった印象ですが、それでも過去の経験は生きているとのこと。


全部が全部とは言えませんが、経営してきたこと自体は、すごく良かったです。
自己資金で、資金繰りをどうするか。

今まで考えてきたことも生きていると思います。

最初からVCから調達すると考えると、その辺の精密さとか怖さとかもわからずに、やっていたんじゃないかなと。

起業から経営の経験を得た上で取り組んでいる分、プラスになっているところも多いと思っています。


「踏めば加速する」を体感し、自分のものにしている河野さん。

前編の最後に、3年後のビジョンについてたずねてみました。


今、私たちのサービスは、飲食小売り、例えばケーキ屋さんや和菓子屋さんなどにフォーカスし、ターゲットを絞っています。

3年後、2025年には、フォーカスしているターゲットの方々にとってのシェアトップを目指したい。

そしてゆくゆくは、全国のテイクアウトのシステム、全部のシェア1位をとるサービスに成長させたいです。



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