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COLOR

株式会社COLOR

伴野友彦

いつまでも挑戦者であり続ける。
そのために多くの人に働きたいと思える会社を創る。

前編に引き続き、株式会社COLOR代表取締役 伴野友彦さんにお話を伺いました。後編では、起業当時のことや中学・高校時代のこと、人材育成に関する内容をお届けします。

4年間の悔しい経験と8つの言葉が戒めに。

2012年6月9日、伴野さんの誕生日にオープンしたDAVID LAYER。 当時の店舗は、家賃1万円。試着室もトイレもありません。室内は、弟さんとDIY。 事務所と店舗は、パーテーションで区切っていました。

お客さんがパーテーションの棒に当たると、棒が倒れて事務所が丸見えになりました。 僕と弟で「すみません」と言いながら直したこともあります。 当時はお金がなく、フローリング仕様のマットをネットで購入し、両面テープで貼りました。

バカにされたり笑われたり、悔しい思いをたくさんしてきたと語る伴野さん。 ただ、この4年間の経験は、今、活かせる部分も大きいといいます。

周りから無理と言われている方が、逆に燃えますし、成長できると思っています。 最初からトイレも試着室もある状態でスタートし、順調に行っていたら、おそらく今の自分はないはず。

伴野さんの好きな言葉は「初心」「謙虚」「感謝」「素直」「情熱」「成長」「挑戦」「楽しむ」の8つ。 人は、成長して結果を残す度に、勘違いし、初心や謙虚さを忘れてしまいます。 ただ、謙虚さや素直さは、日本で住んでいる以上、文化的に必要な姿勢と語る伴野さん。

仕事とプライベートがうまくいかなかったときは、自分のせい。 うまくいったときは、周りのおかげ。今ある環境は、全て地元の滋賀県のお客さん、ご紹介していただいた方、弟、DAVID LAYERのメンバーのおかげです。 自分の実力は1割、9割は周りのおかげ。

8つの言葉は、5年目に事業が軌道に乗った際も、戒めとなりました。 どれだけ成長し、結果を残しても、この先、世界に通用する仕事ができたとしても、最初の4年間は、伴野さんの中で鮮明に残っています。

思い出すたびに感極まるくらい、最初の4年は、僕の中で非常に大事。絶対に揺るがない。 次の新店舗も、トイレも試着しつもない状態で始めてもいいかなと思うときもあります。 そうやって第2章のストーリーを作りたいですね。

挫折と可能性、両方感じた学生時代

個人的にも“チャレンジャー”の印象が強い伴野さん。 きっかけとなるひとつめの出来事は、バスケ部に所属していた中学時代にまでさかのぼります。

部には「先輩と同じバスケットシューズを使ってはいけない」との暗黙のルールがありました。 ルールの存在を知らなかった伴野さんは、先輩から注意を受け、買い直さないといけない雰囲気に。

母親に買い直したいと打ち明けると、激怒されました。さらに、先生と母親と僕の3人で話すことに。 ただ、先生は「確かにそういうルールはある。 でも、気にせずプレイしていただいたら結構です」と母に話すわけです。 当時の僕からすると、先生は現場にいない人。 「何を言うてんの」と思いました。最終的に買い直してもらったものの、先生との距離も生まれ、最初はレギュラーでしたが、中3の最後の大会は体操服で応援し、夏が終わりました。 これが中学時代の挫折経験です。

高校時代に、夢中になったのは、バイトやバンド、買い物などの遊ぶこと。 勉強も整理整頓も苦手で、成績も芳しくありません。 欠席や早退もあり、内申点もよくありませんでした。 しかし、高校3年時に、急に大学進学を目指します。

先生から「本当にやる気があるなら、諦めなければ可能性はある。やってみろ」と言われました。 高1、高2は全く勉強していません。 でも、高3からは、昼休みも図書館に行き、1人で勉強するように。 さらに家に帰ってからも5時間勉強する生活に変えました。 大学に行きたいというイメージが強かったこと、目標ができたことが原動力。 最終的に合格し、先生や周りの友達からはびっくりされました。

社会人となり、先日アポを取った上で、先生に会いに行った伴野さん。 「今の僕があるのは、先生のおかげです。感謝しています」と伝えたことで、先生も感激し喜んでくれました。

ちなみに、中学校時代の挫折経験のもとになった先生にも、会いに行きました。 「伴野、お前殴りに来たんか」と言われましたが(笑)、伝えたかったのは感謝です。 暗黙のルールがあったおかげで、挫折を経験できたこともよかった。 どちらの先生にも感謝しますし、今も当時の経験が生かされています。

何歳になっても挑戦者でいたい。そして楽しみたい。

成功という言葉は辞書にない。何歳になっても挑戦者でいたい。 そして、何より楽しむことが大事だと語る伴野さん。 これは仕事に限ったことではなく、プライベートも趣味も、全てに当てはまります。

僕は社内でも「頑張る」の言葉は禁止しています。 「楽しむ」「成長する」に変えてほしいと伝えます。もう7年くらい「頑張る」という言葉は、使っていません。 あとは、失敗についても独自の考えがあります。5回ぐらい失敗している部下がいますが「あと95回ある」と言っています。 怒るのは、101回目の失敗から。 そうするとどうなると思いますか? 僕が失敗したときも、部下が「たまには失敗もあると思います。手伝います」と受け止めてくれるんです。

これを2、3回の失敗で「お前この前、言ったばっかりやろ。 何回言ったら分かるねん」と言ってしまったら、上司と部下の信頼関係がなくなります。 これは、昔、会社員を経験したときに感じたこと。 この光景がきっと一番よくない。自分が将来独立したら、これはやめようと思った経験を今、生かしています。

失敗を繰り返すと、人は隠すんです。 従業員のせいにしたり、お客さんのせいにしたりと誰かのせいにするんです。 だから、正直に言わせるために“100回”にしています。

多くの人に「働きたい!」と思われる会社づくり

DAVID LAYERは、離職率ゼロです。 その理由は、伴野さんが、世界に通用する仕事以上に「DAVID LAYERの会社で働きたい」と思われる会社づくりを重要視しているため。

今、募集をすると、全国から30人くらいの応募をいただいています。 目指しているのは「働きたい」と思われる会社。 そうすれば、必然的にもっとファンも増えると思っています。

今、「募集をかけても応募がない」「いい人材が集まらない」といった言葉もよく耳にします。 DAVID LAYERも、最初に求人募集したときには、全く応募がありませんでした。

応募がないのは、自分の会社に魅力がないからです。 それは自分のせい。 当社も、今でも、まだまだだと思っています。 もっと魅力を感じてもらい、全国から来てもらいたい。 僕は面談と言わず、オーディションと言います。新入社員と言わず、新メンバーと言います。 全てエンターテイメントです。 だから言葉ひとつからこだわって、より多くの人が憧れる会社にしていきたいです。

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