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株式会社tiwaki

阮翔

創業者・社長が技術を理解していること。
これが成功への道筋。

前編に引き続き、株式会社tiwaki代表取締役社長の阮翔(ゲンショウ)さんにお話を伺いました。後編では、阮さんの経歴や得意・不得意に関する考え方、過去の失敗談についてお届けします。

得意分野にフォーカス。ただ、苦手でも知識は必要。

中国出身の阮さんは、中国の大学を卒業後、大阪市立大学に留学し博士号を取得。 大学時代から画像認識分野に携わり、医療画像の処理を専門としていました。前職でも画像認識分野に関わり、2016年4月、株式会社tiwakiを設立。

技術ばかり学び続けていたので、経営は素人です。 当初は、知識もゼロ。会社経営に関することは、全てがチャレンジでした。 設立から6年経った今は、もちろん経営に関する知識も身につけました。でも、今も自分には、経営の能力はないと思っています。 ただ、人間には、得意・不得意があるものです。 精神論として、できていないことにチャレンジするのは好ましいこと。 でも、自分の得意分野にフォーカスし、不得意な部分は、他の得意な人に任せた方がいいと思います。

人の管理、いわゆるマネジメントの部分や資本ゲームに関しては、正直不得意だという阮さん。 改善方法や現在の社内体制も気になるところです。

社員のほとんどは、技術者です。開発の補助の仕事を担当するスタッフもいますが、会社の99%が開発者。そういう意味では、人のマネジメントは簡単なんです。 そもそも技術者は、きちんと開発プロセスがわかれば、管理はそれほど必要ありません。ただ、もし今後事業を拡大するなら、マーケティング部門、営業部門などが必要となるでしょう。もちろん私も知識は身につけますが、外部からプロを招いてお任せします。

スタートアップとしては、キャッシュの面、資金調達も重要です。 スタートアップでは、阮さんが不得意だと述べた資本ゲームも、必要なイメージがあります。

会社設立の時点のポリシーは、「あまり資本ゲームは行わない」。 運よく、これまでほぼ黒字で経営しています。今も、明日のご飯についての心配はありません。 でも、これから先については、どうなるかわからないのが正直なところです。 急激に成長するときには、資金調達が必要となるでしょう。ただ、その場合もプロの方にお任せするか、新しい仲間を呼び、一緒にやるかといった二択になると思います。

創業者・社長が技術を理解していること。これが成功への道筋。

細かな管理が必要なく、個々のエンジニアが仕事をこなしている印象のtiwaki。 阮さん自身も、開発に関する細かなフォローは、ほとんど行っていないそう。技術開発については、ほとんど他の責任者に任せる中で、社長の立場としての取り組みについて尋ねてみました。

我々のような技術系の会社は、創業者と社長が技術を理解していなければ、成功することはありません。Google、Facebook共に、創業者は全て技術者です。 技術を理解しているからこそ、今後、会社がどのような方向に行くべきかがわかります。また、案件やプロジェクトが失敗した際に、原因がわかることも重要です。

今、日本国内のAIに関する会社は、技術者出身の創業者は極めて少ないといいます。 確かにいくらMBA学位があったとしても、経営と技術は別物でしょう。

まず、会社のコアである技術を理解する。これは、管理者として重要な部分です。 創業者が理解できていないことが「日本はAIが遅れている」「ユニークさに乏しい」と言われている理由のひとつだと思います。 私自身、今、開発に直接関与することは、ほとんどありません。 ただ、やるべきことの方向のアレンジは行います。 社長業務として一番多いのは、お客さまとのやりとりです。

成長のチャンスは一瞬、資金は着火剤になりうる。

最後に、会社設立から6年が経過した今だから思うこと、失敗したと感じていることについて尋ねてみました。

私自身、それほど資金調達にこだわりがなかったため、あまり積極的にやっていませんでした。 ただ、今から思えば、もう少し早めに資本ゲームに乗る方が良いこともあったかもしれません。 全ての会社や人に言えることですが、成長のチャンスは、何度も訪れるわけではありません。一瞬のチャンスを逃さないためには、着火剤のような存在として資金が必要です。 今振り返れば、自分がこだわりすぎたところもありました。2年前に、もう少し一気にプラスした方がよかったと感じています。

反省を踏まえ、現在は資金調達を終えた阮さん。 資金調達は、会社をグッと成長させるためのきっかけとなるだけでなく、人材を確保しマネジメントするための原資になる重要な部分です。

私自身、技術者としての考え方の比率が高いです。 ただ、正直に言えば、資本ゲームのマインドセットが必要な部分もあります。 だから、今も勉強中です。勉強しなければ成長しません。 将来、未来については、明日、何かひとつ面白いことができればいいなと思っています。 そんなに大きな計画はありません。 ただ、次はどうするかを日々考え続けています。 「変えたい」じゃなく「変えないといけない」。 そうじゃないと明日倒産しちゃう。ただそれだけです(笑)。

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