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EUGLENA Co.,Ltd.

株式会社ユーグレナ

出雲充

一番大事なことは、
人は失敗しても死なない。
500社を経て辿り着いた、
世界がミドリムシを知るまで


今回インタビューしたのは、株式会社ユーグレナ代表取締役社長の出雲充さん。

「びわ湖×サステナブル スタートアップDAY」での講演後、さらに詳しくお話を聞いてみました。


失敗のプロが語る。失敗で人は死なない。


講演の中で、特に印象に残っているキーワードのひとつが「失敗」です。

「人の成功を参考にすることはない。ただ、失敗は参考になる」との言葉から、まずは出雲社長が考える「失敗」、失敗した後の進み方、方法論についてたずねてみました。


僕は失敗のプロフェッショナルです。24時間365日失敗。

「ミドリムシで世界を救う」「ミドリムシで飛行機を飛ばす」「ミドリムシベンチャーでユニコーン企業になる」。

何を言っているんだ、という話ですよね。「絶対失敗する」と言われ続け、日本一失敗している。

でも、次が一番大事なこと。人は、失敗しても死にません。

僕もそう。友人知人の起業家、社長も全部含めて、たくさん失敗している。

どんなに失敗しても、恥ずかしくても、失敗が恥ずかしくて死んだ人は1人もいない。

みんな、失敗と「恥ずかしい」という気持ちを恐れ過ぎているんです。

みなさんの失敗なんて、ミドリムシで失敗して恥ずかしい思いをしてきた僕からすれば、カッコ良すぎる。大丈夫。

あとは開き直って何回もチャレンジするだけです。





創業当時の出雲社長も、失敗して恥ずかしい気持ちが全くないわけではなかったそう。

でも「ミドリムシで世界を救う」と伝え、相手に「はぁ!?」と言われたときに感じたのは、恥ずかしさよりも、自分の説明の下手さ、自分への怒りだったといいます。


ミドリムシが本物であることは、科学的事実です。

ミドリムシは悪くない。恥ずかしくもないし、失敗もしていません。

それなのに、人を動かせずみなさんに伝わらないということは、僕の説明に問題がある。

ミドリムシという良い素材を、うまくお客さまに伝えられない自分に対しての怒りや悔しさはありました。

でも、一晩寝たら忘れます。

次こそは、絶対ミドリムシの良さをちゃんとお伝えしよう。そんな、へこたれない気持ちは常に持っているつもりです。



現在世の中に無いものを生み出そうとしている人へ


スタートアップの起業家は、さまざまな相手に事業内容を説明します。

しかし、相手は全くピンときていない。「この人は、一体何を言っているんだろう?」「ムリだ」という表情。

実は、ミドリムシを用いて事業を始めた出雲社長も、全く一緒の状態から始まっています。

だからこそ、今、世の中にない新しいアイデアやプロダクト、サービスでスタートアップをする人に伝えたい思いがあるといいます。


ほとんどの人は、イノベイティブなものに対して「いいか悪いか」で判断する前に、新しいものに対する拒否感を抱くんです。

例えば、ミドリムシは、これまで商品として存在していません。

つまり、常識、コモンセンスに反する。だから、ほとんどの人が拒否するんです。





初めてiPhoneが発売されたときも、「不便だ。電話の方がいい」と言った人たちがいました。

ただ、出雲社長によると、新しいものを好む人(アーリーアダプター)は、世界共通でおよそ13%存在するそう。


つまり、100人に自分のビジネスをプレゼンテーションすると、87人からは「何を言っているんだ」とバカにされるでしょう。

でも、そんなことでいちいち傷ついたり、へこたれたりしちゃダメです。

「iPhoneで世の中が本当に面白くなるかもしれないね!」「え、ミドリムシでそんなことができるの?」と興味を持ってくれる人が、残りの13人です。

その先、アーリーマジョリティにつながるためには、新しいものをアクセプトしてくれる人が、13%前後だと理解した上で、プレゼンする母数をひたすら増やすことが重要です。

興味を持ったからと、全員が応援してくれたり買ったりしてくれる訳ではありませんよ。

ただ、その考え方や価値観のもと、スタートアップ、最初のステージは、離陸するまで頑張るべきだと思います。





2年、500社に営業。しかし全滅。


2年間で500社。これは、出雲社長が営業に行った数です。

それでも「ミドリムシ、いいね」と買ってくれた会社はゼロでした。なんだか納得がいきませんよね。

先ほどの話では、13%前後は興味を持ってくれるはずなのに。


これは、iPhoneとミドリムシの違いです。

500社のうち、箸にも棒にもかからないのが450社。検討してくださったのが、50社。

それでも、ダメでした。

でも、ここは、最初の1社、最初の1人のお客さまにお届けするまで、意地でもやらなきゃいけないところです。

ずいぶん苦労しましたが、2008年5月に伊藤忠商事さんから「そのミドリムシいいね。提携して出資して、応援するよ」と言っていただいたときの嬉しさは、今もよく覚えています。

その後の成長を考えると、全部「苦労したけど、よかった!」という気持ち。

ここまでいかないと、ただ苦労しただけで終わってしまいますから。





自分の事業が一体どこで離陸できるのか、それは誰にもわかりません。

ただ、起業家にとって、最初のお客様は、一生忘れられない素敵な成功体験になるといいます。


最初のお客さまと出会うまでは、どんなことがあっても諦めないというハートを持っていてほしいですね。

そして、起業した人には、最初の1社、最初の1人と出会う体験を味わってほしいです。





前半では株式会社ユーグレナの生い立ちに関することをお聞きしました。

後半ではさらに事業について深くお聞きしていきます。


後編を見る



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