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HATAKENOMIKATA

はたけのみかた

武村幸奈

きっかけは
有機農業への関心と
お母さんたちの声


今回お話をお伺いしたのは、「株式会社はたけのみかた」代表取締役の武村幸奈さん。

離乳食「manma」の商品が生まれたきっかけや、起業から7年を経た今だからこそ思うことについてお話を伺いました。


有機農業への関心とお母さんたちの声から生まれた事業


大学時代に有機農業の農家さんを応援する活動を経て、大学4年時に会社を設立した武村さん。

社会課題に対してアプローチする人材、チームづくりを進める学部で学ぶ中で、武村さんが着目したのが食文化でした。


農家さん、特に有機農業を営む方が、本当に苦労されている姿を拝見しました。

安全性を考えると、想像以上に手間もかかります。

でも、有機農業は、日本社会では、まだまだ受け入れられていません。

それでも頑張っておられる農家さんたちの姿を見て、なんとかしたいと思ったことが全ての始まりです。




化学合成農薬・化学肥料をつかわずにつくる野菜は、形や農業の規模の問題から、市場に出しにくいものが多いといいます。

しかし、農業に力を注ぎながら、販路開拓まで各自が進めるのは、簡単なことではありません。


つくった野菜の売り先がなく、廃棄せざるをえなかったといった声もたくさん聞きました。

有機農業自体を諦める方も、たくさんいらっしゃった。そんな姿を見ていると、あまりにもったいないと思ったんです。





大学生活を通じて「有機農家さんのために、何かができるか」を考えていたという武村さん。

そして、さまざまなアイデアの中から、離乳食に決めたきっかけは、大学時代に立ち上げた学生団体で開催していた「野菜市」だといいます。

地域を地産地消で盛り上げるための方法のひとつとして始まった、野菜市。


子ども連れのお母さんがたくさん来てくださったんです。

当時は、まだSNSもそれほど盛んではなく、チラシもまいていない状況。

その中で情報を見つけ、わざわざ足を運んでくださったことに、驚きました。中には、電車を乗り継いで来てくださった方も。

その理由をお伺いすると「今まで、自分が食べるものはなんでもよかった。でも、子どものためを思って、食を選ぶようになった」と。

子育て世代の方に対して、農業で困りごとを解決することができれば、双方にいいことができる。

離乳食なら、そんな仕事がつくれるんじゃないかと思いました。





“manma”で新しい市場を切り開く


お母さんたちに離乳食を食べてもらうところから始まった、テストマーケティング。

動き出してから、実際に「manma」を販売するまでにかかった期間は、約1年。

「manma」は、素材の味が「そのまんま」感じられる離乳食という意味の「まんま」。

そして幼児食を「まんま」と呼ぶことの意味を含む、ダブルネーミング。


ただ、最初のテスト商品は、今の「manma」とは全く異なっています。

私たちも市販のベビーフードの固定観念にとらわれていて、“素材そのまんま”の要素は入っていませんでした。

お母さんたちが子どもに食べさせたいのは、野菜そのものの味なんじゃないか。

その気づきから、「素材そのまんまを表現しよう」とシフトし、方向性と商品名が決まりました。





新しい市場を切り開いている印象の強い「manma」ですが、販売戦略に関しては「計画的」「無計画」両方の面があったんですよね。


はい。まず、計画的な部分で言いますと、都市部のお母さんに手に取っていただくことを意識しました。

「manma」は、少し高価格帯の商品です。

中身の良さに着目して、手に取ってくださる方が多い地域で重点的に知っていただき、より新しい価値観を広めてもらえることを考えました。

無計画な部分で言うと「こんなに素晴らしい商品は、今までになかった。出せばヒットするのでは」との思いがありました。

結果、お母さんたちの口コミ力により、情報が拡散し、今に至っています。





「manma」の場合、最初はWeb中心の販売、知り合いのお店など小規模な店舗からスタート。

そもそも、離乳食はニッチな市場です。

取扱経験がないお店に対しても、自分たちの想いを説明し、置いてくれるお店を探すところから始めたといいます。

武村さんたちの思いが伝わり、「manma」を取り扱うお店が増加。

しばらくしてからは、宣伝を辞め、今では、店舗からの声かけにのみ対応する形をとっているそう。

また、野菜を離乳食の原材料として使うことで、新たな仕組みが生まれています。


離乳食の場合、野菜をかなり細かく切ったり、元のかたちを崩したりしてつくります。

おいしさや栽培方法は重視しますが、形は関係ありません。

通常、形の問題だけで廃棄されてしまうような野菜も、農家さんにしっかり利益に変えていただける仕組みをつくりました。

買取価格も、かなり高く設定しています。





さらに「はたけのみかた」では、農家さんの情報サイトも公開。

サイトを見たお母さんたちが、野菜に対して親近感や愛情のようなものを感じる。

そして、安心して赤ちゃんに離乳食を与えられるような仕組みづくりにも取り組んでいます。


7年間を振り返り、今だから思うこと


確実に事業を拡大し、社会問題の解決にも取り組み続ける武村さん。

会社設立からの7年間を振り返り、今、改めて思うことについてたずねてみました。


「manma」は、離乳食のため、生産環境もデリケートです。

衛生面に関しても、他社にはないような高い基準を設けて配慮しています。

需要に対して、生産が追いつかない状況のまま、ここまで来ました。

かなり大きな商談や有名なテレビ番組も断った経緯があります。

ビジネスとしては、もったいなさもあるかもしれません。

ただ、自分たちが大事にしたいことは、きちんと守り続けてきました。





品質を下げ、大量生産をすることによりも、自分たちが求める基準を守ることを選んだ武村さん。

社会的にも、お母さん的にも、嬉しい商品だと感じます。

そして、はたけのみかたに関わる農家さんたちにとっても、自分たちがつくる野菜をおいしく食べてもらえることは、大きな喜びではないでしょうか。

そして、事業を通して、武村さんも改めて農業の大変さを感じることに。


「農業は大変だ」ということは、ずっと勉強してきたつもりでした。

でも、特に事業を始めたばかりの頃、台風、悪天候などの気象状況の変化や獣害などにより、収量が落ち、予定通りの野菜をいただけないこともありました。

農家さんの苦労が、事業を直撃する。これは大変だなと。

今は、解決方法として契約農家さんを増やしたり、地域を分散させたりと、リスクに対して補填する方法を考えながら進めています。





前半では主に「はたけのみかた」の事業モデルについてお伺いしました。後半では、学生起業のことや5年後のビジョンについてたずねていきます。

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