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MORIYAMA

守山市

森中市長

森中市長が考える「起業家の集まるまち 守山」

今回お話をお伺いしたのは、2023年(令和5年)守山市の市長に就任した森中高史さん。 市長就任の経緯や守山の魅力、「起業家の集まるまち守山」に対する本音など、さまざまな角度からお話を聞いてきました。

守山市役所への出向を機に、守山との縁が誕生

東京都小金井市出身の森中市長。大学卒業後は、総務省に入省。20年間の官僚生活は、地方自治体への出向がおおよそ半分、霞ヶ関での勤務が半分。 2008年に、守山市役所へ出向したことを機に、守山市との縁が誕生しました。

守山市に住み、2年半くらい仕事をするなかで街の素晴らしさに気づき、「いつか、守山に帰ってきたい」との思いが芽生えました。ただ、総務省から市役所への出向自体とても珍しく、一般的な出向先は、都道府県庁か政令指定都市、県庁所在市のため、2度目の守山市役所出向は望めない。 そのため、総務省の人事に「滋賀県庁に行きたい」と言い続け、2018年から4年間、滋賀県庁に出向しました。

総務省では地方行財政、自治体DXなどの仕事を担当。 内閣官房(首相官邸)に出向し、危機管理センターにて東日本大震災の対応を行ったり、公営企業金融公庫(現:地方公共団体金融機構)に出向し金融関係の仕事をしたりしていました。

東京から再び守山に戻ったきっかけは、前・守山市長の宮本さんから急に「次、出馬しないか」とお話があったことです。 青天の霹靂でしたが、僕としては非常に嬉しいことでした。すぐに「やります!」と返事をして、総務省を辞めて出馬し、今に至ります。

僕はずっと「徹底現場主義」と言い続けています。大事にしたいのは「何のために仕事をしているのか」「何のためにやっているのか」ということ。霞ヶ関で法案を書いていても、あまり現場感はありません。 地方自治体で、現場に出て話をして制度を作ることに充足感があり、元々「いずれは市長になりたい」との思いを持っていました。

守山には「入り人(イリビト)」「チャレンジ」を受け入れ許容する文化がある

2008年に初めて守山市に住んだときの印象と、市長として暮らす現在の守山市の印象は大きく変わらない。ただ、「駅前にマンションが増えた」「学生さんや若い親子連れが多い」と感じるといいます。 これまで転勤を繰り返し、9つの地域に住んできた森中市長は、守山の魅力のひとつとして「バランスの良さ」を挙げます。

駅前や中山道を中心とする中心市街地の都市的な面、北部の湖岸、中部の田園など豊かな自然が残っている面の両方があります。 また、50数年前に守山市になった際は、人口3.5万人でしたが、現在は9万人弱です。新しく入ってきた人、イリビトが多く、一緒に受け入れてチェンジやチャレンジを許容する文化、受け入れる文化があると感じます。 移住するうえで重要な子育て、教育環境に関しても、県立の守山中学・守山高校と私立の立命館守山中学・高校、中高一貫の素晴らしい学校が市内に2校もあることは、街としての魅力だと思っています。

さらに、守山には「街のためになるなら、一緒にやろう」という雰囲気があります。 行政はもちろん、事業所、市民が一体となる雰囲気があると同時に、まちづくりに対する熱意も強いです。

環境、子育て、防災など、様々なジャンルにおいてまちづくりのためいろいろ試したり、先進的に自ら勉強したりしている方々が多いです。 また、各団体の仲が良く、不毛な足の引っ張り合いなどがほとんどありません。

森中市長が考える「起業家の集まるまち 守山」

前・宮本市長の時代に、第2期地方創生の柱として打ち上げられた「起業家の集まるまち 守山」。当時、森中市長は滋賀県の商工観光労働部長としてスタートアップを担当。 守山市で行われた中高生ピッチの参加経験がありました。

当時は、ある意味外の人間として「面白い取り組み。いい取り組み」と見ていただけでした。 いざ宮本市長の後を継ぎ、市長になって「起業家の集まるまち 守山」を引き続きやっていこうと思ったとき、いい取り組みだと思った反面、戸惑い、難しさを感じたのが正直なところです。 まず、関東圏、京阪神には、スタートアップにとって非常に大事な「人・物・金・情報」が集まっています。そのなかで、なぜ守山なのか?という疑問が浮かびます。守山に集まる理由付けは何があるだろう? ただ、いろいろな地域のスタートアップの人たちが集まる場やコミュニティづくりとしての「起業家の集まるまち」というコンセプトは、非常にいいと思いました。

市としての方向性など、まだ試行錯誤中ではあるものの、森中市長は起業を方向性別に2パターンに整理します。地元でカフェや美容院を開業したり、農業の6次産業化、子育て中の親の居場所づくり、コワーキングスペースの運営をしたりといったケースを「地域密着型」の起業と仮定。 新しい技術やサービスの実装により社会課題の解決などを目指す、ベンチャースタートアップ。これを仮に「社会課題解決型」のスタートアップとすると、「地域密着型」と「社会課題解決型」は、支援方法や求められるものが全然違います。

これまでは区別せずに「起業家の集まるまち守山」と言っていたと思います。それはそれでいいことですが、アプローチが異なることを理解しておく必要があります。守山市では、まず、地域密着型の起業を希望する人をしっかりと支援、応援する。 それと同時に、守山で新しい技術やサービスの提供、社会課題解決に取り組むといったスタートアップが「集まるまち」も大事だと思います。

守山では、いろいろな金融機関、支援機関、行政含めた協議会を作り、「みんなで支援していこう」といった動きがあります。 また、市内には3つの民間コワーキングスペースがあり、成功した先輩や頑張っている先輩と接することができる環境があります。メンターが近くにいる雰囲気、伴走型の地域の支援は、森中市長が大事にしている点です。

社会課題解決型のスタートアップには、守山に「集まって」もらいたいです。京阪神や関東圏などで頑張っているスタートアップが社会実装、マーケットに出ていくときには、一定の実証実験やエビデンスが必要になります。 ただ、「近くにフィールドがない」「行政や地域の壁がある」といった場合、守山をフィールドして使ってもらうための「起業家が集まるまち」は、すごくいい。 自分の中では「地域密着型」と「社会課題解決型」の2つを合わせて、守山を「起業家が集まるまち」にしていきたいと考えています。

守山市では、キャリア教育や起業家教育にも力を入れています。起業の形を問わず「自分たちがやりたいことをやろう」「若いうちからやっていこう」というキャリア教育が進められています。 すでに地域で成功した先輩や地域から出て東京などで頑張っている先輩が、子どもたちの前で話す機会や、中高生ピッチやサミットなど発表する機会が多数あります。

例えば、DAVID LAYERの伴野さんの話を聞いた子が、将来独立してまた守山に戻ってきて、今度は自分が子どもたちの前で話をする。そんなふうにエコシステムが回る取り組み、息の長い取り組みをやっていきたいです。

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