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SOFUN

SoFun株式会社

手操圭介

自分の人生を投げうってでも、SoFunの船に乗りたい人が集まる会社

前編に引き続き、SoFun株式会社取締役の手操圭介さんにお話を伺いました。 創業のきっかけや、3人の共同創業によるメリット、大切にしている考え方について、紹介します。

「外に出よう」。3人のタイミングが一致し、共同創業へ。

SoFunは、3人の共同創業からスタートした会社です。 銀行員という共通点はありますが、性格や得意分野、経験してきたビジネスの内容など、異なる点も多いように感じます。 なぜ、創業という道を選んだのでしょうか。

私と吉川は、高校の同級生です。当時、仲が良かったかと言われると、そうでもないんですけど(笑)。 吉川は、銀行員時代、お客さんのM&Aや融資、コンサルティングなど、いろいろなことに関わっていました。 私の仕事内容の半分は、中小企業の支援、融資。残りの半分は、本部でコンサルティング部署の起ち上げをしたり、個人で事業承継を400件ぐらい支援したり、チームを作ったりしました。 IT企業と組んで、中小企業のデジタル化支援事業の発案・実行も行ったり、人材紹介事業を立ち上げたりと、中小企業支援の仕事を沢山しました。

しかし、銀行員として関われる範囲には、限界がありました。 また、外から関わるだけでは実態に踏み込めなかったり、現状維持バイアスに打ち勝てなかったりと、地域の企業が変わるための手伝いをすることの難しさにも気づきはじめたといいます。

銀行員という立場で本当にいいのだろうかと、1年間考え続けました。 そして「外に出よう」と思ったタイミングで、吉川から電話がかかってきたんです。 吉川がやろうとしていたことは、「当事者にならないとあかん」ということ。私が思っていたことと一致していました。 そして、吉川は、突破力がある。仕組みを作ったりビジョンを形にするのは、私のほうが得意。お互い真逆のタイプです。

銀行時代、2人は、一緒にお客さんのコンサルティングプロジェクトを行っています。 当時、改めて、お互いにすごいなと思った経験もあり、一気に話が加速。

平井とも、仲が良かったんです。吉川は、現場、たとえば目の前の社長さんや企業に原体験があります。私は、コンサルの起ち上げや、地域の中小企業支援に関わり、平井は、銀行でベンチャーファンドの運営に関わってきました。東京での銀行員時代には、業務終了後に、自ら経営者の集まりに顔を出して、つながりを作ってきたタイプです。 すごい経営者がいれば、地域はなんとでもなります。地域にいい経営者が生まれるかどうかが地域の運命を握っているんです。平井は全国のベンチャー経営者に会い、いざ地元に帰ってきたときに、そういう人が少ない現実を目の当たりにして、もっと経営者を生み出していかなければと思っていること、これからどうしようかと考えていることを知っていたため、3人で会い、共同創業が決まりました。

2020年11月、3人で会話。2021年1月、法人設立

手操さんは、吉川さんからの話を聞き、返事をしたあとに家族に経緯を説明しています。 出世も早く、銀行員としての評価も高かった3人でしたが、誰からも反対されなかったといいます。 3人で話してから、2ヵ月後には法人を設立。圧倒的なスピード感です。

家族は、私がやると言ったら絶対に理解してくれます。そして、改めて思うのは、共同創業者で、それぞれの色合い、特徴が違うからこそ乗り越えられたことがたくさんあるということ。 様々なプロフェッショナルの方々などの支援者との関係性、SoFunに共感してくれる金融機関との提携、後継者候補の方たちが「SoFunとならチャレンジしたい」と思って集まってきてくれたこと、すべて。 今やSoFunの役員は7名になりました。各地の拠点長、いわゆるめちゃくちゃ優秀な人たちが、「自分の人生を投げうってでも、SoFunの船に乗りたい」と来てくれています。

1人のカリスマオーナーに追従する形でジョインするのではなく、3人が同じ目標に向かい、「世の中をなんとかしよう」との思いで動いている姿を見て、たくさんの仲間が集まり、今に至ります。 多くを占めるのは「この3人だから、一緒にやろうと思った」と言われるケースです。

基本的には月に1回集まり、後継者としてすでに着任している人も含め、状況報告や次の方向性の話をしています。 株主や取締役として質問するだけではなく、自分たちが経営している会社に関しても、同じ立場で、悩みや失敗談も打ち明けています。 悩みもうまくいかないことも打ち明けて、リアルな姿を見せることが、大事だと思っています。

SoFunは、デッドだけではなく、エクイティでも資金を入れています。 ただ、SoFunは、イグジットの上場を目指す形ではありません。現在、地域ごとに会社を分けており、将来的には、地域の経営者を輩出する持ち株会社のような形として、地域のお金として預かり、レバレッジをかけて借入しながら、拡大していくやり方を模索しています。

個人の資産を作るよりも、社会的な価値としての富を目指す

時間をかけて人を育てる。これは、たくさんリターンを得ようと思ったら、できないビジネスです。 ファンドの人に話すと「せっかく買ったのに、なぜ売らないんですか。儲からないじゃないですか」と言われるそう。

ただ、不器用なところがあるからこそ、今の姿があると思っています。 あと、「どうやったらそんなにうまく金の匂いを消せるんですか?」とも言われますが、消しているのではなく、自分たちの儲けを第一に考えていないだけです。お金のことを考えてビジネスをやっている人は、やっぱりわかる。匂いは消せません。 3年や5年で売買すると、資本の回りはいいと思います。ただ、20年後、30年後のリターンを考え、地域が集約されていくその先にちゃんと生き残る会社を作る私たちのやり方のほうが、大きなものになっている可能性が高いと思っています。 個人の資産として富むのではなく、社会的な価値として富むイメージです。

個社ごとにミッションやビジョンはあるものの、根底にある経営指針は、つながっていたい。 だからこそ、イグジットしない集団のような形を選択していると語る手操さん。

今も、めちゃくちゃ優秀な人であっても「あなたは起業するほうが合うと思う」「ファンドと一緒にやった方が合うと思う」と、断るケースもたくさんあります。 理念への共感、経営に対する思い、地域や中小企業に対する思いのベースは、同じでありたいですね。

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