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ENRARGE

株式会社enRarge

清水天斗

「eSports×教育」
前例の無い分野への挑戦

前編に引き続き、株式会社enRarge 代表の清水天斗さんにお話を伺いました。 後編では、前例のない「eスポーツ×教育」分野で起業してよかったこと、大変なこと、 さらに一地方である滋賀県で取り組むことのメリットについてお届けします。

営業力と行動力で得た大手スポンサー

清水さんがつくろうとしているのは「eスポーツ×教育」分野の、新しい1つのサービス。 前例のない取り組みのため、興味をもつ人も多いはず。 まずはうまくいった部分について教えてください。

うまくいった部分は、かなり大きな企業さんが想像以上にいいペースでついてくれたこと。 滋賀トヨタ自動車株式会社さん、ネッツトヨタ滋賀株式会社さん、長浜市でスクール事業などを展開するイケダ光音堂さん。 教育というところでシナジーが合って、スポンサーになっていただきました。

飛び込み営業や人とのつながりを駆使して、得たスポンサーは、まさに清水さんの営業力の賜物。 致命的な失敗をすることなく、ここまでかなり順調に進んでいるイメージを受けます。/p>

確かに大きな失敗はないですね。性格的にも、僕はかなり楽観的。 多少よくないことがあっても、次に生かしているので、特に失敗だとは感じていない気がします。 僕が唯一自信のあるところが、行動力なんです。営業もしかり、起業もしかり。

「社長は孤独」という言葉があるように、 事業として進めるための情報やコミュニティがない場合、不安を感じる方もいると思います。 ただ、清水さんの場合、特別誰かに相談したわけではないそう。

ベースには、最初から「自分がやりたいこと」がありました。 だからそのまま自分がやりたいことを始めたぐらいの感覚です。 まぁなんとかなるだろうと思いながらやっていました。

動画、SNSの発信と「滋賀県eスポーツ協会」

「LAKE GAMING」では、 YouTubeやTwitterを頻繁に更新。 地方のeスポーツだからこその戦略のひとつなのでしょうか。

滋賀県でやるなら、滋賀県の人に知ってもらう必要がある。 そういった部分で、SNSやYouTubeでの発信は絶対必要だと考えています。 滋賀県の社長さんへのアプローチというよりも、一般の滋賀県のユーザーさんに、 「少しでも活動を知ってもらえるきっかけになればいいな」くらいの感覚です。

YouTubeに関しては、チームとしての活動記録、 選手のキャリアデザインに役立てる2つの意味があるそう。選手は個人事業主。 身につけたスキルを、別の仕事や活動に生かしてもらえるようにとの思いが込められているそう。

ただ発信、情報と人とのつながりという部分では、 本当に何が人とつながるツールになるのかは、正直全くわかりません。 わからないからこそ、今から起業や新しい何かを始める人は、人とのつながりを大事にした方がいいと思います。

清水さんが会社を設立する時点で、すでに存在していた「滋賀県eスポーツ協会」。 最初のきっかけはすでに曖昧だそうですが、「手伝ってほしい」と声をかけられ、出向いたことから関係性が生まれたそう。 地方で新しい事業を始める上で、コミュニティの重要性を特に感じるという清水さん。

eスポーツは、「toB」と「toC」が分かりやすいため、おそらくそれぞれの事業で成り立つと思っています。 イベント、チーム運営の両方にコミュニティと側面がある。例えば、「toB」なら、企業さんのコミュニティ。 eスポーツに関して言えば、プレイヤーのコミュニティや協会。 だからこそ事業に関しては、コミュニティの発足と拡大が、かなり大事になると思っています。 属してもいいですし、自分で新しくつくるのもいい。どちらにせよ何かしらの形につながるんじゃないかと思います。

滋賀県で事業を営むメリット・デメリット

よかったところは、eスポーツが未開拓という部分。 開拓していく楽しさもありますし、滋賀県だからこそ、地方創生や教育という分野でチームや事業が成り立っている。 これが滋賀県でやる一番のメリットだと思っています。

ブルーオーシャンに似た雰囲気を感じます。 まだまだ競合、ライバルが少ない未開拓の部分なので、可能性は無限大。 一方デメリット、難しいと感じる部分はどういったところでしょうか。

eスポーツが未開拓すぎて、何も進まないことが多いところです。 例えば、大阪の話を聞くとITや教材開発、システム関係の会社さんから、教育という部分で声をかけていただくケースがあります。 でも、滋賀県の場合は、建設業が多いので「建設業でeスポーツ?」と言われます。 僕も「確かに」って言っちゃう。とはいえ、ひとつのつながりができたので、僕はこれでいいかとも思っています。

滋賀県内に多い企業、事業者の業種とeスポーツとのシナジー効果は、あまり高いとは言えません。 しかし、清水さんは今後の見通しは明るく、滋賀県で立ち上げたからこその良さを感じているといいます。

僕の事業が大きくなればなるほど、プロモーションや地域の盛り上がりに対して、 新しい企業さんや事業者さんが入ってきてくれることが増えるんです。 だから、僕は今の時点から事業を大きくすればいいかな、くらいのイメージです。 「滋賀県だからeスポーツの事業はできない」といったことはありません。

先輩起業者から未来の起業家へのメッセージ

美容師時代も、独立願望は特になかったという清水さん。 美容師を辞めた後も、起業ありきではなかったそう。 自分がやりたいことを実現するために、最も可能性の高い選択肢を選んだ結果が「起業」でした。 同じくeスポーツ関連で起業を考えている方に、アドバイスをお願いしてみました。

eスポーツに関しては、絶対に尖った部分をつくった方がいいです。 どの事業もそうだと思いますが「ウチではこれができます」というものを、確立させることが大事。 ただ、eスポーツといってもジャンルは広いです。 例えば「うちはeスポーツのイベントであれば、ジャンル問わず、対象層問わず完璧にできます」とか。 僕は、何か尖ったアピールポイントを作ることが大事かなと思っています。僕の場合は、教育ですね。

eスポーツに詳しければ詳しい人ほど、強いチームをたくさん知っているかもしれません。 しかし、だからといって同じチームをつくれるかどうかは別の話だそう。

強さではなく、地方という部分を生かして、何か尖った部分を自分でつくることが大事だと思います。 あとはやっぱり行動力。営業。話術。僕は、経営には、人とのつながりが想像の5倍くらい大事だと思っています。

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