2025年2月2日。
昨年行われた滋賀県最大のスタートアップカンファレンス「up stream day」が新たな形として帰ってきました。
昨年のテーマは「滋賀からスタートアップ機運を創り出す」。今回は「スタートアップのここから10年」をテーマとして行いました。
「東京で行われる話を滋賀で。」
その時に訪れた人たち、そして、繋がった人たち、さらにはup stream dayの一日をレポートとして紹介していきます。
今回のup stream dayでは4つのセッションから構成されたカンファレンスとなりました。
一つずつをお伝えてしていきます。(後日アーカイブとしても配信されます。)
登壇者:
・さくらインターネット株式会社 田中 邦裕氏
さくらインターネット株式会社の田中社長による基調講演となったこのセッション。
切り口の一番最初に「起業家・田中邦裕」としてのチャレンジを語るところからはじまります。
衝撃的だったものは時価総額10億円だったところから1900億円以上に現在成長した部分。ですがその道程は険しくチャレンジし続けたからこその今という話でした。
さらには国家戦略との絡み合いで行われたガバメントクラウド、これからのインダストリー5.0に関する話題。
書籍としてその情報は知られるかもしれません。ですが田中社長の知見と絡み合いながら聞きつづけられるこの時間はまさに圧倒的に刺激を受ける時間となっています。
成功者として見える部分。そこへの苦労、そして本音が絡んでいるからこその第一線の話。
参加者全員があっという間と感じるこの時間のセッションからup stream dayはスタートします。
登壇者:
・株式会社村田製作所 岩坪 浩氏
・守山市 森中 高史氏
・Coalis 上原 仁氏
モデレーター:
・守山市 杉本悠太氏
このセッションでは、大企業のトップ、自治体のトップ、スタートアップとしてのトップ。そこに切り込む実証実験の地、守山で現場のトップを走る職員による台本なしのその場でしか聞けないセッションとなりました。
オープンイノベーションから果たしてグローバルビジネスは作られるのか。
世間的にバズワードになっているオープンイノベーションから果たして得られるものは?
その着眼点で、岩坪さんから伝えられた言葉。
それがあまりに場を支配する。そして関心を引く例えでした。
「合コンで結婚に繋がることはない。」広く集まった人たちで本気の次に繋がる事業なんてないんだ。
1対1で繋がることでより深く、お互いの本当に必要不可欠で共創するからこそ見えてくる部分があるんだというこれまでの実績に基づいた答えが返ってきます。
そこに対して上原さんに「実は妻とは合コンで知り合って。」という会場を沸かすラリーがあったなか、スタートアップと大企業がどうやって繋がることが大切なのか。
ただ繋がるだけではない、新たな形をどう形成するのか。
さらに自治体トップとしての森中市長からは、「ただ会いましょう、連携しましょう」から生まれるものではなく、岩坪さんが伝えられたように本気で会う、本気で一緒にやるんだという覚悟から次へと繋がるという部分が出てくるんだと。
モデーレーターの杉本さんからは、会場が聞きたいこと、質問の内容を組み込み、会場全体の理解を置いてけぼりにせず、三者それぞれの立場から、同じ「相思相愛」というキーワードから生まれるオープンイノベーション、さらには新たなビジネスを創るとても大切なことを学ぶセッションになりました。
登壇者:
立命館大学 湊 宣明氏
株式会社Solafune 上地 練氏
さくらインターネット株式会社 田中 邦裕氏
モデレーター:
IVS 島川 敏明氏
宇宙のビジネスを始める。
あまりに遠くて、実感がないビジネス。それが宇宙です。
ただ実際にこれから10年、それから先を語る中でも確実に私達が事業を起こす時の種となるもの、それが宇宙ビジネス。
でもどうやって始めるのか?そもそも宇宙スタートアップとは?
わからないことが多すぎる。だからこそ、それぞれの知見からリアルを語り知る機会となったのがこのセッションです。
興味関心があまりに高く、ただわからないところが多すぎるからこそ。どうやって理解を一致させて進めていったのか。
それをまずIVSの島川さんが、宇宙ビジネスに関するグラフ、表を元に進めていきます。
宇宙ビジネスのこれから、さらにどんなカテゴリがあるのか。そこの理解を進めながら、立命館大学の湊教授からは、人材面。そして確保の部分を語っていきます。
さらにそれを支えるスタートアップ側として田中さんから幅広い宇宙ビジネスに関連したリアルな内容を広げて、展開していく。そうして宇宙ビジネスのイメージが全体で付いてきた中での、上地さんの実際に宇宙ビジネスをスタートアップとしてどう進めてきたのかを伝えていく形となりました。
当日はスマホで質問も受け付けられるようにしており、多くの質問がきたこの回。
島川さんが一つずつ項目としてもいれていき、滋賀県で宇宙ビジネスの話がリアルに聞けた場となりました。
なぜ宇宙スタートアップの話を滋賀でするのか?
それはあまりに遠いと思われているものを、身近に感じる、リアルを感じることで。up streamのコンセプトでもある、滋賀県から飛び出し、そして飛び出した起業家が成長しまた返ってくる。その一つ目のステップ、キッカケを創るところにもなっていきます。
登壇者:
SHE株式会社 福田 恵里氏
IVS 島川 敏明氏
EY弁護士法人パートナー 伊藤 多嘉彦氏
モデレーター:
Coalis 上原 仁氏
最後のセッションとなったアップストリームトーク「エコシステム:ここから10年のスタートアップ」。
ここでは、スタートアップとして走り続け社会課題に挑戦する起業家、SHEの福田さん。
それを支え、日本最大級のスタートアップカンファレンスを行うIVSの島川さん。
さらにはリーガル部分での知見からスタートアップのこれからの戦い方を伝えるEY弁護士法人の伊藤さん。さらにはマイネットを創業し、一部上場までいき、現在は新たな挑戦としてスタートアップのExit戦略でもあるM&AをサポートするCoalisの上原さんをモデレーターとして行いました。
プレイヤーとして行うスタートアップ。それを支えるVC、広げるカンファレンス。
さらに新たなルールメイキングとしての伴走役としてもリーガル側での知見。それを10年以上居続け、起業家の味方であり続けている存在から「潮目が変わるこれから」の話を展開していきます。
これまで。そしてこれからを語る中でのそれぞれの知見。これからスタートアップを行いたい、さらには国の動きも見据えていき、次へのマーケットに対してスタートアップを創出する。その話題が飛び交う時間となりました。
それぞれの知見からこそ、出てくるリアルな話題。これは上原さんが冒頭に伝えた「5時間があっという間」と感じる。
まさらにキーワードになる部分になっています。
台本まるでなし。出てくる言葉がすべて本音。だからこそ聞けるその場の熱量と言葉。
最後のセッションでは、スタートアップのこれまで。これからを聞くことで一つの指標、道のりを確実に感じる回となりました。
当日はオープニングメッセージとして今井内閣府大臣政務官から、up stream dayに向けたビデオメッセージを頂きました。
SPEED感を持ってという、今井内閣府大臣政務官だからこその展開もあり、より滋賀・守山がスタートアップ、起業家の集まるまちであることを認識させるメッセージを参加者全員でみる機会に。
さらには三日月知事からは、昨年に引き続きビデオメッセージを頂き、今回の機会。
スタートアップ、起業家としての滋賀県の盛り上がりを創るために重要な部分を伝えていただきました。
当日は演出として昨年に引き続き津軽三味線演奏家の多田さんによる演奏があったり、交流をより生むためのバーカウンターも設置。
ただイベントとして終わるだけではなく、そこから交流が生まれ繋がり。新たな可能性を創り出す。そんな機会をup stream dayで創ることができました。
本会終了後には場面を変えてアフターパーティーを100名以上の参加者で実施。
登壇者も交えて、これまで出会えなかった、出会いたかったけどその場がなかった人たちも一つの会場で繋がる機会となりました。
アフターパーティーでは業種も立場も関係なく、繋がった機会となったアフターパーティー。
さらには共催となった滋賀経済同友会の方々、滋賀県の経済を牽引してきた方達がスタートアップと交わり、新たな機会を創る形がそこかしこで出てくるように。
結果的にこの交流の場で、新たなビジネス・きっかけが生まれた方も多数おられ「話を聞くだけ」ではなく、「次に繋がる」。まさしく起業家の機運をより盛り上げるそんな機会となりました。
令和3年から始まったup streamのプロジェクト。
up streamプロジェクトがスタートし、IVS、CACとも連携しより多くのスタートアップ、起業家が守山に、そして滋賀に集まってきました。
集まってきたその先にある地域課題を共に解決していき新たな地域の未来を創る。
さらには滋賀県から飛び出し、新たな可能性となり、また滋賀に返り循環を創り出すこの「起業家のあつまるまち 守山」。
集まるから見える次。繋がるから広がる未来。
ぜひこれからも起業家のあつまるまち 守山に多くの方が参画し、次の未来。次のルールを作り出していく。そんなコミュニティを形成してまいります。